驚くべき「にがり」の役割

ヘルスケア

豆腐を作る時に固めるものとして知られている「にがり」には、どんな効果があるのでしょう?

「にがり」の成分や効果についてご紹介します。

誰でも一度は口にしたことがある「にがり」

みなさんは豆腐やチーズを食べたことがありますか?

おそらく殆どの人が口にしたことがあると思います。

豆腐やチーズの中には「にがり」という凝固成分が入っています。

その「にがり」には、実は驚くべき力があるというのです。

「にがり」は何でできているの?

「にがり」とは、「海水を煮詰めて精製した後に残る母液」と表現されています。 また、別名「粗製海水塩化マグネシウム」ともいい、「海水から塩化ナトリウム及び塩化カリウムを析出分離して得られた塩化マグネシウムを主成分とするものをいう。」 と定義されています。

広辞苑より引用

食品衛生法では、にがりは「粗製海水塩化マグネシウム」という名称で既存添加物名簿に収載されている。法律では食品に添加物を使用した際は基本的に名簿にある物質名で表記をすることになっているが、粗製海水マグネシウムは豆腐の凝固剤として使用した場合と、食用塩の原材料に使用した場合、粗製海水塩化マグネシウムの後に「(にがり)」と付記してもよいことになっている。豆腐の凝固剤としては、他にも焼石膏やグルコノデルタラクトンなどが使用されている。

Wikipediaより引用

食品の分野では、にがりは豆腐などの大豆製品やこんにゃく、チーズなどの凝固剤として広く使用されています。

例えば豆腐は、豆乳中のタンパク質と反応して、食品の形成に必要なカルシウムイオンを供給します。

どんな味がするの?

「にがり」は舐めるとピリピリとした塩辛さの中に、少し苦みを感じます(個人的見解)。

しかし、料理に混ぜると旨味に変わるので苦みは感じないと思います。

ご飯炊き、にがり水、お料理に「天海のにがり」

「にがり」には種類がある

にがりは、海水から塩(塩化ナトリウム)を採った残りのものから産出されます。

また、海水から塩化ナトリウムと塩化カリウムを分離した粗製のもの(粗製海水塩化マグネシウム(別名・塩化マグネシウム含有物))もにがりとして付記表示が認められています。
スーパーなどで売られているものは、こちらが多いです。

私が購入したのは「粗製海水塩化マグネシウム」です。

食品以外にも「にがり」は使われている

食品だけでなく、にがりは医薬品、化粧品、洗剤などにも用いられています。

化粧品の分野では、にがりは洗顔料や石鹸などの製造に使用されることがあります。

皮膚を清潔にし、毛穴を引き締め、肌の調子を整える手助けをしてくれます。

さらに、にがりに含まれるミネラル成分は、肌の新陳代謝を促進する作用があるとされています。

そのため、美肌効果を高める効果が期待できます。

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医薬品の分野でも、にがりを含む成分が役立っています。

にがりに含まれる塩化マグネシウムは、腎臓における塩分の排泄を促進する作用があるため、高血圧や浮腫(むくみ)などの症状を改善するのに役立ちます。

ただし腎機能が低下している透析患者では、にがりに含まれるカリウムが排泄できず蓄積してしまうので、高カリウムになる可能性があり注意が必要です。

塩化マグネシウムとにがりは同じ?

にがりによっては、塩化マグネシウム以外の成分が含まれることもあるため、原材料表示などを確認することが重要です。

にがりに含まれる塩化マグネシウムは、塩化マグネシウムそのものであり、にがり自体は、塩化マグネシウムを含む混合物であると言えます。

適量はどのくらい?

こちらのwebページを参照してみてください。

にがり水、化粧水の作り方
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「にがり」の主成分・塩化マグネシウムが力を発揮してくれる

マグネシウムがいい仕事をする

海水を煮詰めて濃縮させると塩が固体となって現れます。

この塩を取り除いて残った液体が「にがり」であり、主成分は塩化マグネシウムです。

生活習慣病の予防

マグネシウムとカルシウムは深く関係しており、バランス良く摂取することがポイントです。

両方のバランスが取れていると、心臓や血管などが正常に機能し、骨や歯を丈夫に保つことができます。

マグネシウムは、体内に入ると骨に貯蔵されますが、不足すると骨から血液にマグネシウムが溶け出してしまいます。

骨粗しょう症の予防に、カルシウムと共にマグネシウムの摂取も心がけることで、丈夫な骨を作っていくことができます。

また、にがりの成分であるマグネシウムを摂取することで、体内のカルシウムやナトリウムの量を調節し、高血圧や心疾患を予防する効果が期待できます。

精神安定にも効果

マグネシウムは神経興奮を抑制し、神経伝達を正常に維持する働きがあります。

ストレスや緊張を緩和する効果があり、自律神経のバランスを整えることが知られています。

また、にがりに含まれるミネラルが、神経伝達物質の生成や分泌を助けることにより、自律神経の調整にも役立つとされています。

マグネシウムの食事摂取基準には、1日当たり男性が370mg、女性が290mgとされていますが、国民健康・栄養調査によると、1日の推定摂取量は、男性が約240mg、女性が約200mgとなっています。摂取基準よりも、男性は約130mg、女性は約90mgのマグネシウム不足です。

しっかりマグネシウムを摂取するためには、マグネシウムが多く含有される食品を積極的に摂ることが欠かせません。

にがりは、豊富なマグネシウムを含有した食品ですが、一つの食品から一度に多く摂取するのではなく、色々な種類の食品を組み合わせることが効果的なポイントです。

にがりの活用方法

少しの工夫で手軽にマグネシウム摂取

現代人の多くは、慢性的なマグネシウム摂取不足に陥っています。

にがりを摂取することで、マグネシウムを取り入れることができます。

料理に使うと美味しさUP!

にがりを数滴垂らしてご飯を炊くと、ふっくら仕上がります。

また、煮物などの料理に数滴垂らすとコクと旨味が増します。

便秘やダイエットにも効果がある

にがりには、腸の働きを促進する効果があり、便通改善が期待できます。

海藻類やビタミンB1と一緒に摂るとよいでしょう。

※ ただし、一度にたくさん摂取すると下痢や腹痛を起こすので注意しましょう。

「にがり」はどこで手に入る?

スーパーやドラッグストア、ネットストアで手に入ります。

私はドラッグストアでは見つけられず。スーパーの塩売り場で見つけました。

安価で手に入るので、気になるかたは試してみるのもよいかと思います。

保存方法は?

「にがり」は基本的に塩と同じで賞味期限はなく、常温保存できます。

ただし、水で希釈したものは早めに使い切るようにしましょう。

まとめ

  • 「にがり」は海水を煮詰めて精製したものから産出されるものであり、別名「粗製海水塩化マグネシウム」ともいう。
  • 「にがり」は食品だけでなく、肌にハリやツヤを与えるために化粧品に使われたり、医療の分野でも生活習慣病の予防に役立てられている。
  • 「にがり」に含まれる「塩化マグネシウム」は、現代人に不足しているミネラルであり、「にがり」を取り入れることによって、料理の旨味が増したり便通の改善にも効果が期待される。
  • 手軽に安価で購入でき、長期保存も可能である。

いかがでしたでしょうか。

現代人に不足しがちなミネラルが豊富な「にがり」を上手に取り入れて、健康に役立てていきましょう。


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